2025年版・分散型暗号資産取引所（DEX）19選

分散型暗号資産取引所（DEX）は、中央管理者を排除したピアツーピア型の取引プラットフォームを提供し、暗号資産取引の常識を塗り替えました。本ガイドでは、2025年時点の分散型暗号資産取引所の進化、基本機能、主要プラットフォームを詳しく解説します。

分散型暗号資産取引所とは？

分散型暗号資産取引所は、暗号資産取引の構造を根本から変えるプラットフォームです。中央集権型取引所とは異なり、DEXは単一の管理主体に依存しないピアツーピア型スワップシステムです。ブロックチェーンネットワーク上のスマートコントラクトによって運営されるため、ユーザーは取引所の管理口座に資産を預けることなく、自身のウォレットから直接取引できます。

DEX最大の特徴は非カストディ型である点です。ユーザーは取引の全過程で自身のプライベートキーと資産をコントロールできます。通常は特定ブロックチェーン上で稼働し、そのチェーン固有の資産のみをサポートしますが、近年はクロスチェーン機能を持つDEXも登場し、異なるチェーン間の橋渡しが進んでいます。従来型のオーダーブックに代わり、多くのDEXはAutomated Market Maker（AMM）と流動性プールを採用。ユーザーは資産を提供することで取引手数料を受け取ることができます。Uniswapのようなプラットフォームがこの革新を牽引し、初期DEXの流動性不足を解消しました。加えて、中央集権型取引所に比べて取引手数料が低く、単一障害点もないため、セキュリティ面でも優れています。

現時点で選ばれている分散型暗号資産取引所19選

2025年の分散型暗号資産取引所は、多彩な特長と強みを持つプラットフォームが揃っています。UniswapはEthereum上のパイオニアであり最大規模のDEXで、日々数十億ドル規模の取引高を誇ります。400種類以上のトークン取引や流動性提供によるパッシブインカムが可能で、運営は分散型自律組織（DAO）が担います。

主要なDEXアグリゲーターはクロスチェーン・マルチチェーン対応で、複数チェーン・数百のDEX・数十万種類のコインに対応。非カストディ型設計でセキュリティを重視しつつ、スムーズな取引と競争力のある手数料を実現しています。ApeX Proは資本効率を高めるエラスティックAMMモデルを採用し、StarkWareのレイヤー2技術でセキュリティを強化、デリバティブ市場で最大20倍のレバレッジ取引も可能です。

Curveはステーブルコインや低ボラティリティ銘柄の取引に特化し、独自トークンCRVでガバナンスを運用。KyberSwap（Kyber Networkの主力プロダクト）は、複数の大規模流動性プールを持ち、1,500銘柄超・数千ペアのスワップに対応します。dYdXは独自のオーダーブックモデルを用い、最大5倍のレバレッジ取引やクロスマージンレンディング機能を提供し、DEXトップクラスの取引高を記録しています。

1inchはDEXアグリゲーターとして複数の取引所をモニターし、ユーザーに最良価格を提供。直接手数料はゼロです。Balancerは3種類の流動性プール（スマート・プライベート・シェアード）を作成でき、高い柔軟性を持ちます。Bancorは2017年登場のAMM初期組で、独自のステーキング構造でインパーマネントロスから資産を保護します。

SlingshotはPolygon、Arbitrum、Optimismなど複数ネットワークのゼロ手数料取引をサポート。CowSwapは注文をAMMに送る前にピアツーピアでマッチングし、スリッページを抑制します。IDEXは中央集権型・分散型の長所を融合し、同時取引やガスフリーキャンセルが可能です。

DEX.AGは複数のDEXから流動性を集約し、最適な価格を提示。AirSwapはEthereum上でプラットフォーム手数料ゼロ（ユーザーはガス代のみ）で運用。SushiSwapはUniswapから発展し、SUSHIトークンでステーキング報酬やガバナンス参加が可能です。

PancakeSwapは特定ブロックチェーンで低コストかつスリッページリスクの少ない流動性プールを提供。WX Networkは自社ブロックチェーン上で様々なデジタル資産を取り扱い、取引手数料は0.03%と極めて低水準です。Xfaiはコンスタントファンクションマーケットメーカースマートコントラクトを採用し、エンタングル流動性プールで流動性分断の課題を解決。ParaSwapはマルチチェーンDeFi流動性を集約し、利回り最適化と高度なチャート機能の組み合わせで、分断された流動性プール間から有利な価格を発見できます。

分散型暗号資産取引所での暗号資産取引はおすすめか？

分散型暗号資産取引所で取引するかどうかは、複数の重要な観点から判断する必要があります。DEXは暗号資産取引の中心的存在となり、非カストディ型設計による大きなメリットを提供します。取引の全過程でユーザーが資産を完全に管理でき、中央集権管理リスクを排除できます。

分散型暗号資産取引所はスマートコントラクトによる即時取引で高い効率性と透明性を実現し、多くのトレーダーに選ばれています。一方、どれほど確立されたDEXであっても、ガス代（特にEthereum上）、流動性提供時のインパーマネントロス、取引ペアごとの流動性の違いなど課題も存在します。また、複雑なUIが初心者の参入障壁となることもあります。

したがって、各DEXの機能・手数料・対応資産・セキュリティ等を十分にリサーチし、利点とリスクの両面を理解した上で、自身の取引ニーズやリスク許容度に合った取引所を選定することが不可欠です。

まとめ

分散型暗号資産取引所は、初期の流動性課題を克服し、日々数十億ドル規模の取引が行われる高度な取引エコシステムへと進化しました。本ガイドで紹介した19のプラットフォームは、DEX分野の多様性と技術革新を象徴しています。UniswapのAMMモデル、Curveのステーブルコイン特化、1inchやParaSwapのアグリゲーター機能など、分散型取引に多様な選択肢が揃っています。

非カストディ型取引、強固なセキュリティ、低手数料、分散ガバナンスといったDEXの本質的な優位性は、中央集権型取引所に対する強い競争力となっています。一方で、ガス代やインパーマネントロス、複雑さといった課題も無視できません。今後は、レイヤー2ソリューションやクロスチェーンブリッジの発展とともに、DEXが暗号資産取引の中核を担う存在へとさらに進化していくでしょう。DEXを最大限に活用するには、各プラットフォームの特徴と課題を理解し、十分な調査のうえ、自分の取引戦略やリスクプロファイルに合った取引所を選ぶことが重要です。分散型金融の進化に伴い、DEXは今後も革新を続け、トレーダーにより高度な機能と新たな市場機会を提供し続けるでしょう。

FAQ

DEXのデメリットは？

DEXは流動性が低くなる場合や、手数料が高く、取引速度が遅いケースがあります。初心者には取引が難しく、カスタマーサポートもありません。また、規制が緩いため詐欺被害が発生しやすい点も課題です。