若い富裕層は暗号資産投資をポートフォリオの中心に据えている

Source: BTCHaber Original Title: 若き富裕層が進路を暗号資産へ転換 Original Link: 米国で18～40歳の投資家500人を対象に行われた新たな調査により、暗号資産が高所得の若年投資家にとってもはや「代替」ではなく、基本的なポートフォリオ構成要素となっていることが明らかになりました。

ブロックチェーン企業ZeroHashと調査会社Centimentが共同で2025年第3四半期に実施した本調査では、参加者の61％が暗号資産を保有しており、この資産クラスへの需要は今後12か月でさらに高まることが示されました。

調査の概要

調査は米国在住の500名の投資家を対象にオンラインアンケートで実施されました。参加者の年齢は18～40歳、世帯年収は10万ドルから100万ドル超まで幅広く、特に「高所得の若年投資家」セグメントに焦点を当てています。参加者の75％はすでに金融アドバイザーまたはプライベートウェルスマネージャーと取引がありました。「ハイネットワース」(HNW)投資家のサブグループは、年収50万ドルから100万ドルの間と定義されました。

ポートフォリオにおける暗号資産の地位が強まる

調査結果は、暗号資産が米国の若く裕福な投資家の間で、不動産や株式といった伝統的資産クラスと同等の存在となっていることを示しました。暗号資産を保有する投資家の71％は、ポートフォリオの5～20％をデジタル資産に割り当てていると回答。調査に参加した高所得の若年層のうち44％が暗号資産を保有していると述べました。この割合は不動産投資家と同じ水準であり、プライベートエクイティ/ヘッジファンドやアート・コレクションよりも明らかに高い数値となっています。

さらに注目すべきは、現在暗号資産を保有していない投資家でさえ強い需要を示している点です。金融アドバイザーのいない参加者の大多数が、暗号資産サービスが提供されれば口座開設や本格的な利用を真剣に検討すると回答しました。

アドバイザーの暗号資産知識不足が大きな損失に

最も衝撃的な調査結果の一つは、投資家の76％が暗号資産を独自に、すなわち金融アドバイザーを介さずに管理していることです。アドバイザー経由で暗号資産を保有しているのはわずか24％にとどまりました。しかしレポートによると、この「アドバイザーへのアクセスギャップ」は深刻な影響をもたらしています。参加者の35％はアドバイザーが暗号資産を提供しないために、すでに資金を他へ移しているとのこと。この割合はハイネットワース投資家では51％に達しています。

資産流出の規模も大きく、資金を移した投資家の34％が25万ドルから50万ドル、21.8％が50万ドルから100万ドルの範囲で資産を動かしています。また、調査参加者の64％は、アドバイザーが暗号資産を取り扱っていれば、より長くサービスを利用し、より多くの資産を預けていただろうと答えました。

一方で、レポートによると大手機関投資家が暗号資産分野に参入したことで、投資家の信頼が高まったとも指摘されています。

ビットコインだけでは不十分、より多様なポートフォリオを求めて

レポートは、投資家がビットコインやイーサリアムだけの選択肢に満足していないことを明確に示しています。参加者の92％が、より幅広いデジタル資産へのアクセスが重要と回答。すでに5人に1人はSolana、Dogecoin、USD Coinなどのオルタナティブ資産に注力していますが、ハイネットインカム投資家はさらに多様化したポートフォリオを志向しています。HNW投資家でビットコインを中心に据える割合は49％、全体では64％となっています。

セキュリティと透明性への期待も明確で、投資家の63％が暗号資産を伝統的資産と同等に扱うべきと考え、50％が保険付きカストディサービスを求めています。リスク管理については、約70％がマネーロンダリングやサイバーセキュリティへの懸念を持っており、独立監査(56％)、透明性の高いレポーティング(54％)、規制されたカストディアン(54％)が最も重要な安心材料として挙げられました。

124兆ドルの資産移転

調査は、今後数十年で旧世代が保有する124兆ドルもの巨額資産が若い投資家へと移転することを指摘しています。レポートによると、この資産移転の中で暗号資産は富の創出の中心的な役割を担うことになるとしています。