米連邦準備制度理事会は25ベーシスポイントの利下げを行ったが、市場は反応しなかった。ビットコインとイーサリアムは値上がりせず、逆に一瞬で大きく下落し、強気派は一瞬茫然とした。

この事態は実は理解しやすい——利下げのニュースはすでに過熱しており、実際に実行されると「靴が落ちる」ようなものになる。さらに厄介なのは、パウエル議長の一言だ：「来年はおそらく一度だけの利下げになるだろう」。当初は利下げの流れが加速すると思っていたが、実際にはちょっとした水滴が滴るだけで、資金は当然動かなくなる。

**なぜ市場はいつも「光を見たら死ぬ」のか？**

今年の暗号資産界には一つの鉄則がある：期待段階では盛り上がるが、実際に発表されると逆に下落する。利下げの夜もその最新例だ。市場が期待しすぎて先に利益を取り尽くしてしまい、実行時には反動で売りが出るのだ。

**しかし、本当の大きな動きは、実は別の場所に隠されている。**

皆がビットコインの価格変動に目を奪われている間に、ブラックロックが密かに申請したのが「イーサリアムステーキングETF」だ。これが承認されれば、利下げの何十倍ものインパクトになる。

なぜそう言えるのか？

**まず、ETHは「稼げる資産」に変わる。**
このETFを買えば、機関投資家はただ座っているだけでステーキング収益を得られる。技術の理解も、秘密鍵の管理も、検証ノードの運用も不要で、資産が自動的に増える。これにより、従来の金融とは比べ物にならない魅力が生まれる。

**次に、市場に流通するETHの量が大きく制限される。**
ステーキングは資産のロックだ。機関投資家が参入すれば、市場に出回るETHは減少し、価格の天井は自然と上昇圧力を受ける。

**最も重要なのは、年金基金や保険会社といった大手資金が興味を持つ可能性が高いこと。**
彼らが求めるのは暴騰や暴落の刺激ではなく、安定したリターンと長期的な価値の増加だ。ETHのステーキングETFは、このニーズにピッタリ合致している——価格上昇の恩恵を受けつつ、毎年配当も得られる。まさに伝統的な資金にぴったりの仕組みだ。

**イーサリアムの価値再評価は、ちょうど始まったばかりだ。**

ビットコインETFは「ETFがあれば資金が流入する」ということを証明したが、ETHのステーキングETFの意味合いはより大きい。なぜなら、ビットコインは価格の上昇に頼るだけだが、ETHは実際のキャッシュフローを生み出せるからだ。これは機関投資家にとって、全く異なる投資対象となる。

**短期的な値動きに動揺せず、長期の論理を見ろ。**

利下げというマクロ経済の好材料は数日しか影響しないが、ETFは構造的な変革だ。市場の真の方向性は、チャート上の動きではなく、大手の動きにこそ現れる。

一言で言えば：ビットコインは今や脇役。イーサリアムこそがブラックロックの主役となる。次の大きな上昇局面は、おそらくETHから始まるだろう。