最近二つのシグナルは注目に値する：アメリカ証券取引委員会（SEC）がDTCCのような資産保管大手に国債や株式のトークン化をオンチェーンで承認し、その直後にアメリカの銀行がビットコイン担保ローン事業を開始することを発表した。これは一体何を意味するのか？従来の金融と暗号世界の間にあった壁は、完全に消え去った。

一方では、数兆ドル規模の従来型資産がブロックチェーンへの上場待ちを始めており、もう一方ではあなたが保有するBTCを直接トップレベルの銀行に担保としてドルを借りることができる。これは単なる「資金供給」のレベルを超え、二つの金融システムのパイプラインが正式に連結されつつある。

しかし、慌てて突入しないでください。今の市場の横ばい・震荡の背後には、真の嵐の兆候が隠されている——それは、長年続いた20年にわたる負利率時代の終焉が間近に迫っているということだ。想像してみてほしい、世界中の機関投資資金（バフェットのような大物も含む）が長年ほぼゼロコストで日本から円を借り入れ、それをドルに換えて米国株やビットコインに投資してきた。それが日本円の金利が上昇し始めると、これらの巨額アービトラージ資金は即座に流出し、返済に回さなければならない。世界の流動性のパターンは数日以内に根本的に書き換えられる可能性が高い。ジェットコースターのような値動きが来週にでも起こるかもしれない。

同時に、米連邦準備制度の利下げ予想は市場に完全に織り込まれつつある。ドット・プロットは今後の金利環境がますます引き締まることを示しており、内部では利下げに反対する声もささやかれている。「継続的な金融緩和」のストーリーが崩壊すると、前の局面で得た利益の一部は、これらの好材料を利用して自然と売りに回る動きが出てくる。

最も保守的な規制機関と最も伝統的な銀行システムが、真剣に暗号資産のインフラ整備に取り組み始めたとき、このシグナルは非常に明確だ：暗号通貨はもはや旧体制の挑戦者ではなく、新しい金融システムの一部へと変貌を遂げつつある。あなたが見逃しているのは、単なる価格の上下だけではなく、資産カテゴリーそのもののアイデンティティの変化かもしれない。