死神から平和の創設者へ：アルフレッド・ノーベルの矛盾した旅

破壊のために生まれた化学者

アルフレッド・ノーベルは1833年10月21日、スウェーデンのストックホルムで、工学と革新が血筋に流れる家庭に生まれた。父親のイマヌエル・ノーベルは、爆発物事業に救いを求める発明家志望の人物であり、文字通りも比喩的にも爆発物のビジネスに救いを見出そうとしていた。1837年に家族がサンクトペテルブルクへ移ると、若きアルフレッドは機械、化学式、そして不可能を現実に変えるという家族の執念に囲まれて育った。

16歳のとき、アルフレッドは英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語の複数の言語を操り、化学に深い知識を持っていた。しかし、彼の真の情熱は？爆発物だった。ほかの子供たちが遊んでいる間に、彼はニトログリセリンを研究していた—その高い不安定性と致死性を持つ化合物は、当時の科学界を魅了し恐怖に陥れた。

すべてを変えた発見

ノーベルのニトログリセリンへの執着は単なる学術的好奇心ではなかった。1863年、彼は爆発物を制御できる実用的な起爆装置を開発した。2年後の1865年には、より安全な起爆カプセルを作り出した。しかし、天才的なひらめきは1867年に訪れる。

ノーベルは、ニトログリセリンと多孔質の珪藻土（キセリグア）を混ぜると、安定して成形可能で取り扱いも安全な爆発物になることを発見した。これがダイナマイトの誕生だった。世界は二度と同じではなくなる。

ほぼ一夜にして、この発明は建設、採掘、インフラ整備を革命的に変えた。山を貫くトンネル、大陸を結ぶ鉄道、海をつなぐ運河。アルフレッド・ノーベルのダイナマイトは、かつて夢にすぎなかったエンジニアの夢を可能にした。

実験室から帝国へ

成功は認知だけでなく、ヨーロッパ各地に工場のネットワークをもたらした。ノーベルは1875年に爆発性ゼラチン(とバリスチタ—煙の出ない最初の火薬の一つ)を特許取得した。一方、兄弟のロバートとルドヴィクは、バクー（アゼルバイジャン）で石油田を発見し、家族の財産を拡大していた。

1894年、ノーベルはスウェーデンの製鉄所を買収し、ボフォースに改名した。これは世界最大級の兵器メーカーの一つだった。彼の富は計り知れず、権力も巨大だった。しかし、後悔も増していた。

矛盾の重み

ここに、アルフレッド・ノーベルを定義するパラドックスがある。爆発物で財を成したこの男は、根本的には平和主義者だった。彼は—おそらくは単純に—自分の発明の破壊力が戦争の抑止力として機能し、戦争を引き起こす道具ではないと信じていた。

1888年、新聞の誤報が彼を銃弾のように打ちのめした。ある新聞は、彼の死を早まって報じ、「死の商人は死んだ」と見出しを打った。ノーベルは死の前に自分の墓碑銘を読んだ。傷は完全には癒えなかった。

オーストリアの平和主義者ベルタ・フォン・スットナーの友人の影響を受け、自身の評判に悩まされながら、ノーベルは自らの遺産を再考し始めた。

歴史に響く最後の遺言

1895年、イタリアのサンレモで死の一年前に、ノーベルは遺言を作成した。彼の財産の大部分—破壊を通じて蓄積されたもの—は、物理学、化学、生理学/医学、文学、平和の分野での進歩を認める年次賞に変えられることになった。

これは、救済への絶望的な賭けだった。爆発物で成功した男が、平和と知識の推進者として歴史に名を残すために、自らの道を買おうとしたのだ。

二つの顔を持つ遺産

ダイナマイトは産業革命の象徴として残る一方、現代の破壊の象徴ともなった。死後に設立されたノーベル賞は、世界で最も権威ある賞となり、人類に恩恵をもたらす天才たちを称えている。

アルフレッド・ノーベルは1896年12月10日に死去し、計り知れない遺産を残した。輝かしい発明者か、死の商人か？平和主義者か、戦争の利益追求者か？答えは両方だ。彼の人生は、科学の進歩には常に二つの顔があり、それを創り出す者には道徳的責任が伴うことを思い起こさせる。