ウォール街で15年間揉まれてきた友人がいる。数日前、一緒に酒を飲んでいた時に、突然声をひそめてこう言った——

「今回の動きは、半減期よりも破壊力がある。」

11月30日の夜、あのスーツ姿の金融エリートたちはSNSで自慢することもなく、テレビにゲスト出演することもなかった。ただ暗号化されたチャットグループで連邦公報のリンクをシェアし、こう一言だけ打った。

「eSLRが廃止された。ゲームのルールが変わった。」

たったこの一言の裏には、2,100億ドルもの巨額資金が絡んでいる——10年間規制の枠に閉じ込められていた本物の資金が、一夜にして解き放たれた。

数字上は1%も下がっていないように見えるかもしれない。しかしこの1%こそが、銀行が中核的自己資本を使って米国債を買う際の生死を分けるラインだ。これまでは米国債を購入するのにハイリスク債券並みに資本枠を消費したが、今では？買いたいだけ買える、規制が足かせにならなくなった。

そして、米国債はまさにUSDT、USDC、FDUSDといったステーブルコインの基盤資産だ。

**銀行が無制限に米国債を購入できるようになると、何が起きるか？**

**第一に、ステーブルコインの発行がフルスロットルで加速する。**
1ドルのステーブルコインを発行するたびに、裏付けとして1ドル分の短期米国債をリザーブしなければならない。今や銀行がこぞってカストディアンになりたがり、短期債の金利はほぼゼロまで押し下げられ、発行コストはほとんどなくなった。ウォール街内部で流れている予測は数千億ドルどころではなく、Citiの基本シナリオで1.9兆ドル、楽観的には2030年までに4兆ドルに達するとされている。最も強気な一部では8兆ドルという天文学的な数字まで出ている。

**第二に、2021年のようなオンチェーン流動性の爆発が起きる。**
ステーブルコインは暗号資産世界の血液だ。この「血液バンク」が急増すれば、DeFiプロトコル、DEXの取引深度、オンチェーンのレバレッジ取引などが再び活性化される。