ビットコイン生死ラインが明らかに！ストラテジスト：「この価格」を割ると5万ドルまで暴落の恐れ

ブルームバーグ上級コモディティストラテジストのMike McGlone氏は、ビットコインが重要な分岐点にあると指摘し、94,000ドルから84,000ドルのレンジが今後の大きな動きを左右する「生死を分ける」範囲であると述べています。このレンジを下回った場合、約50,100ドルが重要な平均回帰ターゲットとなり、この目標は2021年から2023年のビットコイン年間最高値の平均値と2024年の最安値から導き出されています。

94,000～84,000ドルレンジの戦略的意義

（出典：ブルームバーグ）

Mike McGlone氏の分析では、94,000ドルから84,000ドルのレンジがビットコインの現時点で最も重要なテクニカル防衛線と定義されています。この10,000ドルの範囲は短期的なボラティリティの緩衝帯であるだけでなく、再び強気相場への回復と、より深い構造的下落を分ける分水嶺でもあります。ビットコインがこのレンジ内で安定し、94,000ドルを上抜けブレイクすれば、再び強気相場に突入し、目標は11月の史上最高値126,000ドル付近まで戻る可能性があります。

逆に、84,000ドルを下回ると、テクニカルな連鎖反応が引き起こされます。この価格帯は複数の主要テクニカル指標が交差するポイントであり、200日単純移動平均線103,485ドルの下方、そして2024年初の重要サポートエリアとも重なります。これを割り込むと、次の主要サポートは70,000ドルの心理的節目となり、ここも失えばMcGlone氏が指摘する50,100ドルの平均回帰ターゲットが現実味を帯びてきます。

この50,100ドルのターゲットは単なる憶測ではなく、厳密な統計分析に基づいています。2021年から2023年の年間最高値の平均値と2024年最安値を組み合わせて算出されています。テクニカル分析の観点から、平均回帰は市場が極端な変動の後に自然に修正されるメカニズムであり、過去にもビットコインは強気相場のピーク後にこの種の統計的平均値へと回帰することが多々ありました。

ビットコインのリーダーシップ消失

McGlone氏の分析は、さらに深い構造的な問題も指摘しています。ビットコインが長年S&P500指数を上回ってきた状況が徐々に消えつつあります。ビットコインとS&P500の比率は横ばいないしやや下落傾向にあり、かつて市場上昇を牽引していたビットコインが今では市場下落を先導している可能性を示唆しています。こうしたリーダーシップの喪失は歴史的にトレンド転換の兆候となることが多いです。

年間ローソク足で見ると、ビットコインは2020年と2021年の爆発的な成長の後、徐々にモメンタムを失っています。現在のローソク足は、より広範なリスク資産が安定を模索する中でも下向きとなっており、この乖離現象には注意が必要です。ビットコインがテック株やS&P500の反発についていけない場合、暗号資産市場内に構造的な問題、例えば機関投資家の資金流出や規制圧力の増大がある可能性が高いです。

テクニカル面での三大弱気シグナル

2本移動平均線のデッドクロス：価格は91,983ドルで、50日SMA99,769ドルと200日SMA103,485ドルを大きく下回っており、明確な弱気配列を形成

RSIは中立寄りで弱気：14日RSIは45.12で、まだ深い売られ過ぎではないが、売り圧力が完全に枯渇しておらず反発の勢いに欠ける

出来高の減少：最近の反発は出来高の伴わないもので、買いの力が弱く、単なるテクニカルな反発でトレンド転換ではないことを示唆

利下げ期待で流れは変わるか

月曜日にビットコインは上昇し、先週の調整局面を反転しました。トレーダーは今週のFOMCでFRBが利下げに動くと確信しています。この上昇は弱めの米経済指標にも支えられており、これらのデータが12月10日までのFOMC会合で25ベーシスポイントの利下げ期待を後押ししています。最新のコアPCEデータもインフレ鈍化を示し、市場の政策転換への自信をさらに高めました。

通常、借入コストの低下は暗号資産のようなリスク資産に有利に働きますが、政策当局からのシグナルが混在していることから、投資家は2026年に向けた緩和ペースに慎重な姿勢を崩しておらず、上昇幅も限定的です。月曜日の取引ではビットコインが約4%上昇、一週間で6%以上の上昇となりましたが、下落幅に比べると反発の勢いは依然として弱い印象です。

過去の経験から、利下げによるビットコインの上昇効果は即効性がありません。2019年にFRBが利下げに転じた後も、ビットコインは数カ月間もみ合いを続けてから本格的な強気相場に入っています。現在の市場の課題は、たとえ利下げが実現したとしても、84,000ドルのサポートが試される前に十分な買い支えが入るかどうかです。

投資家はどう対応すべきか

ホルダーにとって、84,000ドルは厳重に監視すべき生死線です。日足終値でこの重要ラインを割り込んだ場合は、ポジション縮小やストップロスの設定を検討することが推奨されます。というのも、50,100ドルへの下落が予想以上に速くなる可能性があるためです。待機勢には2つの明確なシグナルを待つ戦略が考えられます：1つは94,000ドルをしっかり上抜け、出来高も伴って突破し強気相場再開を確認すること。もう1つは84,000ドルを割れた後、70,000～75,000ドルのレンジで明らかなパニック売りと出来高増加が観測され、中期的な底打ちが形成されるタイミングを狙うことです。

テクニカル指標によれば、ビットコインは現在弱気状態にあるものの売られ過ぎではなく、更なる下落余地が残されています。RSIが30を下回り、明確な出来高増加が見られた時こそ、真の底打ちとなる可能性が高いでしょう。