Kalshi投資家がPolymarketの取引量を誇張していると指摘?経緯を解説

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執筆:0xjs

背景

Polymarketは世界有数のオンチェーン予測市場プラットフォームであり、特に2024年の米国大統領選では取引量が数十億ドルに急増し、暗号予測市場の“風向計”と見なされています。KalshiはPolymarketと直接競合するもう一つの予測市場プラットフォームです。

Paradigmは暗号投資に特化したトップクラスのベンチャーキャピタルで、創業者Matt HuangはXプラットフォーム上で長年活動しており、暗号エコシステムへの洞察を頻繁にシェアしています。Paradigmは最近Kalshiに投資し、これが後の論争の伏線となりました。

事件の発端(2025年12月8日)

  • バグ発見:Paradigmのデータアナリストstormがデューデリジェンス(diligence)を行っている際、Polymarketのオンチェーンデータに問題があることを発見しました。具体的には、Polymarketのオンチェーントランザクション記録では、各取引に「冗長な表現」(redundant representations)が存在し、サードパーティのデータ集計ツール(Dune、Artemis等のダッシュボード)が取引量を計算する際、各取引を二重カウントしてしまうというものです。これはウォッシュトレード(wash trading)や人為的な操作ではなく、純粋な技術的バグです。stormはX上に詳細な説明とデータのスクリーンショット、コード例を投稿し、「ほぼすべての主要ダッシュボード」のレポートに影響を与えていると指摘しました。stormの投稿はすぐに689件のいいねと22.6万超の閲覧数を獲得しました。
  • Matt Huangのリポスト:15分も経たないうちに、Matt Huangがstormの投稿をリポストし、簡潔にコメントしました:「Polymarket data bug: volumes are double-counted in most public data. Interesting find in diligence from @notnotstorm」。このリポストは急速に拡散し、投稿の閲覧数は62,000を超え、話題となりました。

Polymarketの対応

  • Polymarketのデータ責任者Primo Data(@primo_data)がすぐに返信し、事実を明確にしました:
  1. Polymarket公式サイト自体は取引量を二重計算しておらず、「名目takerボリューム」(買い手の名目価値)を表示しており、これはKalshiなど伝統的な予測市場の基準と一致しています。
  2. サードパーティのダッシュボード(Artemisなど)もtakerのnotional volumeを表示しており、二重計算の問題はありません。証拠としてスクリーンショットも添付しました。
  3. この話題はすでに10月に暗号データのグループチャットで議論されており、Matt Huangもその返信を見ていましたが、公に言及はしていませんでした。
  • Primo Dataは、これはPolymarketの責任ではなく、データ集計者の解析問題だと強調しました。

コミュニティとメディアの反応

  • Paradigmを支持する声:一部のユーザーはstormの発見を称賛し、これはDeFiデータの完全性に潜むリスクを明らかにしたとし、業界への有益な警告だと評価しました。
  • 疑念とFUDの指摘:より多くの論争は「動機」に集中しています。多くのユーザーがParadigmはKalshiの投資家(直近3回の資金調達に参加)であり、Huangのリポストは「競合他社を貶める」行為だと指摘しました。例えば:
  • ユーザー@amathuxbtは:「全てはPolymarket創業者Shayne CoplanがParadigmに投資機会を与えなかったから?」
  • @tier1haterrは:「Kalshiも同じ計算方法なのに、Paradigmの投資先だから批判を免れてるの?」
  • 他の返信例:@andrewhong5297は「既知の問題」であり、1年以上前から議論されており、市場のbid+askの標準決済方式に似ていると述べています。
  • より広い議論:事件はすぐにトレンド入りし、一部メディアは「一部の観測者はHuangが競合を中傷しようとしていると批判している」と報道しました。同時に、コロンビア大学の独立研究(11月発表)もPolymarketのスポーツ市場でウォッシュトレードがあったと指摘し、プラットフォームデータの信頼性への疑念をさらに拡大させましたが、Huangの指摘はウォッシュトレードとは無関係であることが明確です。

現在の影響と展望

  • データ修正:複数のダッシュボード(Dune等)が調査を開始しており、クエリロジックの更新が必要になる可能性があります。Polymarketの実際の取引量は50%-100%過大評価されていた可能性があり、これは投資家の予測市場規模評価に影響を与えます。
  • 業界への示唆:この事件はオンチェーンデータと中央集権型プラットフォームの違いを浮き彫りにしました——Polymarketの透明性は両刃の剣であり、誤解されやすい一方で監査は容易です。ParadigmとKalshiの競争関係は本件を「業界内抗争」のように見せますが、データ基準の議論を促進した側面もあります。
  • 最新状況(2025-12-09):Polymarketはこれ以上の公式対応をしておらず、Huangも追ってコメントしていません。コミュニティは明確に分断されたものの、全体として大きな危機には至っていません——予測市場は依然として暗号業界のホットトピックであり、KalshiとPolymarketの「文明レベルの真理マシン」としてのポテンシャルは変わりません。

総じて、これは技術的な発見から生じた“小さな波紋”が競争の物語に急速に発展したものですが、核心はデータ透明性への注意喚起です。

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